SW3-07

ゼブラフィッシュGal4トラップ法を用いた神経回路の可視化と機能阻害

浅川和秀1, Maximiliano L. Suster1, 浦崎明宏1, 小谷友也1, 永吉さおり1, 岸本康之1, 日比正彦2, 川上浩一1

(1遺伝研, 2理研CDB)

  我々は、脊椎動物の神経回路を遺伝子発現によって操作する新規手法の開発に取り組んだ。まず、Tol2トランスポゾンを用い、ゼブラフィッシュGal4トラップ法を開発した。これにより、様々な神経細胞に転写因子Gal4を発現するトランスジェニック系統を多数単離することに成功した。次に、神経機能を阻害するために、UAS(Gal4認識配列)につながれた神経毒素遺伝子TeTxLCを保持するUAS:TeTxLC系統を樹立した。Gal4系統群とUAS:TeTxLC系統を交配させ、得られた胚に対して逃避行動アッセイを行った。その結果、TeTxLCの誘導により行動異常を示すGal4系統を選び出すことに成功した。さらに、異なる行動異常を示す系統間では、異なるGal4発現パターンが観察された。このアプローチは、Gal4発現パターンと行動表現型を手がかりにして、神経回路を同定し、機能を解析する有効な手法である。